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ハンブルクから3(3/21)

 投稿者:黄紺  投稿日:2017年 3月22日(水)17時57分40秒
編集済
  振り出しのハンブルクに戻りました。ところが、この10日余りの間に、いつも宿をとっていたハンブルク中央駅前のホテル代が上昇。フランクフルトのように、手に負えないというほどではないのですが、高くなっていたため、初めてハンブルク中央駅を離れて投宿。今まで知らなかったところに行けると肯定的に受けとめることにしています。宿は、アルトナ界隈にとったのですが、この地域って、トルコ人が多いのかな、そう言えば、ラウンハイムやルードヴィヒスハーフェンという、ここまで縁のなかったところで、投宿をすると、やたらトルコ人の姿に出会うので、驚いてしまったものですが、ホテルのある地域も、それだという感じですね。昼間は、歌劇場への新たなルート確認がてら、街中を探訪。ようやく街の構造や遊び方を把握。内アルスター湖界隈にある狙いのブツェリウス芸術フォーラムに行き、特別展「パウラ・モーダーゾーン・ベッカー」を観てまいりました。副題に「近代への道」となっていました。ドイツの博物館巡りをしているなかで、黄紺が学び出した19~20世紀の画家の中で、新たな逸材と出会えました。僅か31歳で亡くなった女性画家です。19世紀後半の風景画回帰や、時代を先取りして、表現主義の原初だとも言われているようですが、正に世紀末の混沌を、新たに知った思いでした。博物館を出ると、まだ時間的に余裕があったので、行ったことのなかったエルベ川の下を通るトンネルを往復してきました。安治川トンネルの感覚ですね。ただ、それよりは深く、梅田シティに通じるトンネルよりは長いものでした。そして、夜は、ハンブルク国立歌劇場で「トスカ」を観てまいりました。ロバート・カーセンのプロダクションだということ、しかも、スカルピアをマエストリが歌うということで、 今回の目玉の1つだったのですが、貼り出されてあった「今日の配役」の下に、「77回目の公演」の記述にな~んだの気分。かなり古いプロダクションだということで、近来の才ばしったものかが疑問となったのですが、案の定、その疑問が当たりました。幾つか「!」と思うところはありましたが、基本的には、ごく普通の「トスカ」を観たという印象です。3幕ともに、斜めに切られた平面を使います。1幕と3幕が似た構造。パッと見では同じように見えたのですが、1幕には、カヴァラドッシの描く壁画、それを描くために要る足場(これはスカルピア登場の際の階段にも転用)、左の壁の扉があり、扉のある方ではない壁は幕が張ってありました。3幕では、壁の替わりにあった幕がなく、もう1つの壁には扉がなかったのですが、一見して1幕にそっくりなもので、最後、トスカの自死はどうするのかと思っていたら、幕のなくなっていた方に飛び降り、な~んだの雰囲気。だまし絵を見せられたってところでしたが、飛び降りた瞬間、ここは端っこですよと言わんばかりに、端に電飾が点りました。そうそう、1幕のラスト、即ちテ・デウムが終わった瞬間、幕が落ち、下から、キリスト像(?)が上がって来てから幕となりました。こう書けば、普通じゃないですね。確かに、幕切れには、こないな目を引くところはありましたが、あとは普通の進行です。1幕では、幕切れ以外では教会堂を思わせられるようなアイテムなり装飾はないのも特徴です。広い広間っていう印象が、1幕には生まれるのですが、その広間に、椅子が、壁替わりの幕に向かい、並べられているのですが、プロテスタントの教会ともとれますし、単なる広間ともとれるというところで進行していきました。2幕は、2方向ともに壁で、1つの壁にだけ、扉が付いています。トスカのカンタータも、そこから聴こえ、人の出入りもそこからです。もう一方の壁の少し前には、畳くらいの布が張られていて、トスカを尋問するスカルピアが腹を立て、ナイフで切り裂きますが、そのあと、使ったナイフを投げ捨てますが、トスカがスカルピアを殺す凶器は、そのナイフとなるという仕掛けでした。衣装も、時代考証に基づいたと見えるもので、目新しさがあったわけではありましたでした。歌手陣では、主要3役が個性派揃い。期待のマエストリは、やはり上手い。体躯は、思った通りでかい。大き過ぎて、動きに緩急がつけられないのがまずい。そして、声量に驚かされるというものではないですね。トスカのタチアナ・セルヤンが良かったですね。なりきり型で、芝居のできる歌手、歌える役者ってやつで、気持ちを乗せる歌い方のできる人ですから、注目の要ありです。ただ、バイブレーションがかかり過ぎる傾向だけが嫌なところです。カヴァラドッシのマッシモ・ジョルダーノが、このプロダクションの凹みかと、2幕まで思っていました。ところが、3幕で、人が変わったように良くなりました。声に張りが、明らかに出てきました。長い助走期間の要る方ですが、一旦、エンジンがかかると、文句は撤回しなければなりませんでした。指揮はレナート・パルンボ、メリハリってものが、もう少しクリアになればいいのですが、、、。

本日の食事。朝は、昨日に続き、ホテルの朝食。パンに、チーズとハムを挟むだけ、あと、ゆで玉子とヨーグルトだけという簡素なもの。でも、暖かなコーヒーが飲めるのが嬉しいですね。夕食は、ホテルの近くには、インビス系のお店は、パン屋とトルコ人の店しかないので、今回のオペラ紀行3度目のドネル・ケバブ。パケットリにしてもらい、ホテルで、スーパーで買っておいたアイランとともにいただきました。美味い、量も一杯、お値段手頃、おまけにトルコ満喫、最高の夕食です。

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ベルリンから6(3/20)

 投稿者:黄紺  投稿日:2017年 3月21日(火)14時30分28秒
編集済
  ベルリン連泊です。これで、今回のオペラ紀行で、ベルリンは6泊目となります。今日は月曜日ということで、オペラ枯れの日。でも、ベルリンではオペラが観れるのです、、、が、これが、既に観ているプロダクション。ということで、ちょっと迷いました。ブラウンシュヴァイクに行けば、オケのコンサートがあり、移動にも難はないということだったのですが、、、ベルリンの同じプロダクションでも、歌手が違い、それも、オクサナ・ディカが聴けるとなれば、やはりベルリンだろうと、ベルリン6泊目が決まりました。昼間は、ちょっと頑張りました。まず、ヴァンゼー会議記念館に行ったのですが、こちらは、ナチスによるユダヤ人政策を決めた会議をした別荘があるのですが、そういった場所だということで、ユダヤ人政策に関する博物館にもなっているのです。今日は、もう一つ博物館にも行くという欲張ったことをしてしまいました。ただ、ヴァンゼーはポツダム方向の郊外にあるものですから、市内中心部に戻るのに、余計な時間を使ってしまいました。行き先は、前にも行ったことのあるベルリニッシェ・ギャラリー。現代アート専門の博物館です。新たな特別展を求めて行ってみたということです。現代アートのわけのわからないところがいいですね。常に、意味なるものを考える黄紺が見られているのではとの感覚で、展示物を観て回るのも、可笑しな感覚を持ってしまいます。19世紀ものの展示もあり、リーバーマン、バックマン、ヌスバウムを観ることができました。そして、夜は、今日も、ベルリン国立歌劇場で、「蝶々夫人」(アイケ・グラッムス演出)を観てまいりました。舞台を彩る登場人物たちのシルエットが美しく、しかも、日本をわりかし勉強した上でのプロダクションと判り、解釈とか、設定とか、歌手陣の動きなどに、特に斬新さがあるわけではないのですが、ヴィジュアル的に、とっても好印象を持ったプロダクションだったのです。1~3幕まで、ずっと同じ装置で間に合うというのが、このオペラ。斜めに敷かれた平台には、畳が画かれており、その上に、障子模様のパーテーションが置かれているというのが、舞台のメーンの構造。その平台に向け、背後にある土手から階段が付いています。人の出入りは、全て、その階段を使います。そのときには、障子模様のパーテーションが開かれる訳です。もちろん、スライドさせて。ホリゾントには、暗くはしてあるのですが、ぼんやりと周囲の風景と考えれば、いいのかな。クライマックスでは、一旦、背後は大黒になり、蝶々さんは、緞帳前へ出ると、緞帳の位置に黒幕が下がり、幕前に蝶々さんだけになります。子どもが出てくるのは、黒幕を上げ、しかも左右に幕を少しだけ開けることにより、扉状に開いたスペースから、スズキに、子どもは押し出されます。やがて、蝶々さんは自害をします。ピンカートンの「蝶々さん」の連呼で、幕が上がり、ホリゾントの黒幕が落ちます。すると、ホリゾントに伏見稲荷の千本鳥居が現れ、幕となりました。そこが、ぎょっとするところで、あとは、普通の進行。ただ、前回印象に残った飛脚や荷を担ぐ商人たちの、要するに、黄紺が期待していた日本の風景のきれいなシルエットは省かれていました。経費削減なのでしょうか。歌手陣ですが、オクサナ・ディカは、これで、3回目となります。今までの2回は、いずれも「トスカ」(ドレスデン、ベルリン・ドイツ・オペラ)。最初のドレスデンで聴いたときが最高で、その後は、なんか印象が悪くなっていきます。シラー劇場の音響のかげんなのでしょうか、今まで、オクサナ・ディカほどのパワーを持った歌手を、ここでは聴いてなかったからでしょうか、とにかく、キンキン響く声なのです。喉を狭くして絞り出す、でも、パワーは満点、そんなですから、情緒に浸れるという手合いではなく、このキンキン響く声さえなければ、プッチーニ最高の美しい音楽の詰まった作品を聴けるのにとすら思ったときもありました。それに反して、ピンカートンのテオドール・イリンカイは、いいテノール見つけたというところで、本日の秀逸。スズキ(カタリナ・カンマーローハー)とシャープレス(アルフレード・ダツァ)は、いずれも温かくいい感じの歌唱。シャープレスに、もうちょっとパワーがあれば良かったのですが、、、。指揮は、「アリアドネ」に次いで、韓国人女性指揮者のキム・ウンスンでした。「アリアドネ」では不満が残りましたが、今日は大丈夫。うまくツボを心得た指揮ぶりに、好感を持つことができました。

本日の食事。今回初めて、朝食付きのホテルに泊まりました。しかし、おかしなことに、今回のオペラ紀行で使うホテル代の中では最低クラスなのに、朝食が付くという不思議な現象が起こっています。もちろん、朝食付きと言っても、ま、最低限の朝食ですが、贅沢を言うものではありません。ただ、野菜系がなしというのは、ちょっときつい。ですから、夕食は、ドネルあたりにして、野菜の補給に努めようかとも考えたのですが、ベルリンが最後ということもあり、黄紺的ベルリンの味「焼きそば」を、再度食することにしました。別に、「焼きそば」は、ベルリンにしかないわけではないのですが、黄紺は、ベルリンで食べたいのです。従って、夜のお酒の肴用にトマトを用意しておきました。

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ベルリンから5(3/19)

 投稿者:黄紺  投稿日:2017年 3月20日(月)15時29分42秒
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  ベルリンに戻ってきました。ブレーメンからは、ハノーファー経由でのベルリン入りです。ハンブルク経由と、ほぼ時間は変わらないはずです。存外、ブレーメンとハノーファーが近いというのは、抜け落ちになってしまってるのじゃないかな。ただ、ちょっと迂闊にも、ブレーメンを、ゆったりめに出たものでしたから、ベルリンに着いてからが、せわしなくって。というのも、今夜のオペラは、午後5時開演だったのです。ですから、ベルリン入りしてからしたことと言えば、ツォー駅前にある、日曜日でも開けている(ここはクリスマスでも開けている)スーパーに買い物に行き、軽い早めの夕食を摂ったくらい。ただ、今回は、前回と違い、歩いて、歌劇場に行けるというところに、ホテルを取れてますから、その点は気が楽なところがありました。たった1週間で、ホテル代が落ち着いたということは、1週間前のベルリンでは、高騰を誘う何かがあったのだろうと、勝手に推測しております。そして、夜は、ベルリン国立歌劇場で「タンホイザー」(サーシャ・ヴァルツ演出)を観てまいりました。ルネ・パーペがヘルマン、ヴォルフガング・コッホがヴォルフラム、プルーデンスカヤがウェヌスを歌うという、今回のオペラ紀行の目玉の1つだったもの。一方で、サーシャ・ヴァルツのプロダクションというのが、気になるところ。この方は、バレエ界の方。昨今、演劇界や映画界から、オペラの演出に登用され、また成功を収める人が出てきていますが、バレエ界からとは珍しい。どないなものになるか、期待と不安の入り混じった気持ちで臨みました。そういった期待に、見事応えるようなものだったことだけは、確かなプロダクションでした。ただ、好き嫌いはあると思います。とにかく、至る場面にバレエが入ります。これを良しとするかで、このプロダクションの評価は決まっていくと思います。冒頭のウェヌスの園のシーンには、目が釘付けです。円筒型の巨大な装置が、舞台中程に突き出ています。そこが、ウェヌスの園ということで、その中で、群舞が繰り広げられます。度肝を抜くという、掴みは決まります。3幕は野道と見えるような装飾が成されていましたが、1幕も同様にとなるはずですが、あまり、そういうところに気をかけないというか、1幕は、何もなしの舞台に、全面、白色光が当てられたような中で進行。3幕の場合は、床に野道らしき書き割り、背後は、ほんの僅かに雑木林と見えるか見えないかという暗い画像の投射、その暗いなか、右奥は野道が続いていそうに見えました。2幕の歌合戦の場は、一番上から縄を垂らし、それが自在に動かせるようになっている装置。入場の場面では、縄で作られた壁が、後ろにいくほど狭められており、その狭められた、背後から、皆が入ってくるというもの。歌合戦に入ると、縄の壁が動き、四角い広間に、そして、ローマ巡礼に出かけるところでは、床に道が投射され、背後の壁が、道の分開くというものでした。従って、装置は、殆どなくと言っていいくらいで、あとは、照明と画像投射、そうそう3幕は、冒頭、スモークが巻かれており、霧を出すというもので、これまた、装置以外のところでの工夫でした。進行上の注目すべきところは、一点ですね。ラスト、ウェヌスが出てきます。そして、倒れる前に、既に、エリザベートの葬列が入って来ていますが、ただ、その時点では、葬列とは判らず、また、エリザベートの亡骸が判るようにはしてありません。ウェヌスが倒れた瞬間、エリザベートの亡骸が荷台から取り出され、一方、ウェヌスの亡骸も担ぎ出されということが、同時に進み、ウェヌスの倒れた、正に、その位置に、同じ姿で、エリザベートの亡骸が置かれます。エリザベートとウェヌスは表裏一体というコンセプトが、こういった形で表されたと、黄紺には見えました。歌手陣は、ヘルマンのルネ・パーペは、圧倒的な貫禄。ヴォルフラムのヴォルフガング・コッホは、ベルリン・ドイツ・オペラでのテラムントの不調がウソみたい。でも、「夕星の歌」のせつなさが、イマイチだったかな。ウェヌスのプルーデンスカヤは、声に威力があります。生では、この人、シーベル以来です。この人、ドミンゴ&ネトレプコの「トロヴァトーレ」では、アズチェーナを歌ってますからね。タイトルロールを歌ったブルクハルト・フリュッツは、ま、こんなものかなという感じで、拍手も、そないなものでした。エリザベートのアンネ・シュヴァンネヴィルムスは、ちょっと声にムラがあるのが気になり、清純な女性という声質には物足りない印象でした。総体的に言って、やはりバレエと合体したオペラと言えるプロダクションです。黄紺は、そのコンセプトに慣れないまま、終演まで来てしまったという印象です。どうも、ベルリンの2つの「タンホイザー」とは、相性が良くないようです。この「タンホイザー」で、オケピットに入ったのはシモーネ・ヤング。先日の「ワーグナー・ガラ」に続いての遭遇です。あのときもそうだったのですが、この人の指揮、すごく音楽が流れるという印象が残ります。前へ前へと、煽っているわけではなく、疾走とか、躍動という言葉が、それに付け加わる場合もあります。その辺が、人気の秘密かもしれませんね。今日も、大きな拍手で迎えられていました。

本日の食事。相変わらずの朝食。デザートはヨーグルト。ドイツは、日本同様、色んな味、甘い味の付いたヨーグルトが売られていますが、今朝はリンゴ味にしました。夕食の方は、3時前に食べないと、食べる機会を逸するかと思い、ツォー駅前のスタンドで、「バック・ヴルスト」、ま、太いソーセージ1本に、小さいパンを付けただけのものです。ソーセージを切って、カレー粉とケチャップをかければ、「カリー・ヴルスト」になりますが、今日は、それにはしませんでした。あとは、オペラから帰ってきてから、ビールを呑むときの肴に、ハムを用意しておいたくらいでした。

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ブレーメンから(3/18)

 投稿者:黄紺  投稿日:2017年 3月20日(月)15時22分51秒
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  昨日のコブレンツから、今回のオペラ紀行では、最長の移動時間で、ブレーメン入りしています。単なる観光だけでも、2回来ている町ですが、オペラ紀行としては、暮に来たのが初めて。不思議と縁がなかったのですが、1度来てしまうと、連続でのブレーメン入りとなりました。その2回ともに、プロダクションが斬新だったもので、今後は、このブレーメンとハノーファーを重点的に組むことになると思っています。念のため、歌劇場へのルート確認をしてから、その足で、今日は、クンスト・ハレは素通りして、有名なマルクト広場も抜け、ヴェーゼルブルク博物館に行ってきました。現代アート専門の博物館です。黄紺的には、さほど興味を引かれるものはなかったですね。ちょっと肩透かし。そして、夜は、ブレーメン劇場での「ファウストの劫罰」(パウル・グオルグ・ディートリヒ演出)でした。今日がプレミアだということで、何かおもしろいものが観れるのではという期待に、見事に応えてくれました。最新の演出技法で使われることのある、カメラを舞台に持ち込み、その影像を、直ちにスクリーンに反映させるというもの。今日は、演劇用語で「出臍」と呼ばれる舞台が、開場時より用意されており、そこには、開場時に、既にファウストがスタンバイ、2台のカメラが、彼を追いかけ、その映像が、正面上に3分割されてたスクリーンの真ん中に映し出されるという趣向。これが、開演時間まで続きます。そして、序盤のアレゴリー・オペラっぽい部分は、出臍と、オケピット周囲の狭い通路、舞台前の狭いスペースを、ファウストとコーラスが使い進行するというもので、ずっと舞台上のカメラが追っていました。舞台上からカメラが降りるのは、メフィストフェレス登場あたりで。そんなですから、アレゴリー・オペラっぽいところで、テキストが、何を表そうとしているかの具体的な呈示はなされずじまい。別に悪いわけではありません。緞帳の真ん中下に入口があり、そこにメフィストフェレスが現れると、緞帳は切って落とされます。そして、その後は、舞台上には、3台の蛍光灯板(3つが並ぶと舞台全面となる大きさ)を組み合わせたり、裏返したりしながら、組み替えながら進行していきます。白色灯、白を基調とした主役の男2人の衣装、舞台サイドの壁には白い大きな布が垂らしてありますから、舞台を観る目には、白一色と映ります。休憩は、マルガレーテが出てくる前に入りました。幕が上がると、マルガレーテは、コードの着いた人形という趣き。動きも人形ぶりで始まります。まるで、メフィストフェレスにより用意された人物というところでしょうか。でも、それだったら、昇天できるのは、なぜなんでしょうか。それは、ファウストと交わした契約の結果? 最後、ファウストとメフィストフェレスは、救いのコーラスに入る前に、客席のサイドの出口を使い、外に出てしまいます。マルガレーテは、出臍の位置に座ったままですが、頭上には、電飾で作られた十字架があります。既に、用意されていた十字架の下に、マルガレーテがやって来た?  避難して来た?って風情でした。元々、解りにくいオペラなのですが、最新のテクニックは堪能できたのですが、それで、解りにくいオペラが解りやすくなったのではなく、黄紺的には、理解が難しくなった、そないなプロダクションでした。歌手陣では、マルガレーテ(テレサ・クロンタラー)だけが良くってという感じで、プレミアなら、それ相応の歌手の用意をして欲しいなとは、ファウスト(クリス・リサック)とメフィストフェレス(クラウディオ・オテッリ)については思いました。マルクス・ポシュナー指揮のブレーメン・フィルハーモニーが、オケピットに入りましたが、パルケットの席だったからでしょうか、音がこもってしまったのでしょうか、終始、覇気に乏しかったのが惜しまれます。

本日の食事。朝は、いつものように、前日にスーパーで仕入れてあったもの。デザートはヨーグルトに戻りました。夕食は、ホテル周辺や、歌劇場に行く途中には、頃合いの店がないので思案中のところ、旧市街周縁部にアジア・インビスの店を発見。メニューを眺めて、あっさりと決断。「トウフ・ココ・カレー」にしました。カレーと言えど、ほぼカレー味は感じず、ココナッツ・ミルクのお味で、具材が煮込まれていました。その具材に、豆腐、筍、ブロッコリー、シャンピオンなどが入っており、とってもヘルシー。何よりも、大変な美味。しかし、まさか、ドイツで、豆腐や筍を食べるとは思いませんでした。このチョイスは、大成功でした。

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コブレンツから(3/17)

 投稿者:黄紺  投稿日:2017年 3月18日(土)21時18分55秒
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  カイザースラウンテルンから、快速電車で2時間弱で移動のはずが、3時間もかかってしまいました。車両故障だったようで、途中の駅で、後から来た電車に乗り替えることになりました。暮にもコブレンツに入ったのですが、そのときも、同様のことに遭遇。なんか、コブレンツは鬼門みたいです。これで、時間を喰い、しかも、今日のオペラは、午後6時開演ということで、あっさりと街中ウォーキングに切り替え。久しぶりに、「エック」と呼ばれるラインとモーゼルの合流点まで歩いてみました。帰りは、当然、旧市街を歩くことになります。冬だと、クリスマス・マーケットが、旧市街の各所に出ているため見えなかった素の顔を見ることができました。そして、夜は、コブレンツ劇場であった「バラの騎士」(マルクス・ディーツェ演出)を観てまいりました。スケジュールを立てるとき、一番迷ったのが今日の選択。ダルムシュタットで「イェヌーファ」が出ているのです。結局、明日の行先と、「バラの騎士」に負けたので、コブレンツ入りとなりました。「バラの騎士」は、今季のプレミアだとか。なかなか独自の発想で作られたプロダクションでした。まず、オケピットの位置は蓋がしてあり、舞台の前面をなしていました。そして、舞台後方に、オケ(ライン・フィル)が位置するというもの。舞台自体を狭くする手だったのかな、よく判りませんが、、、。この狭くした舞台を、更に狭くしたのが、舞台両脇に配置された小道具を置く棚。実際の舞台裏もかくやという棚が、上下3段あるものですから、かなり高い。そういった狭くした舞台で、しかも、簡素化した舞台で、物語は進行します。指揮者が後ろにいるため、歌うタイミングには、細かな打ち合わせが、あったでしょうが、複数の歌手が同時に歌うときのバランスの修正ができないため、大きな課題を抱えた進行とはなりました。第1幕は、舞台後方にソファ、そこが2人の臥所となっています。前方にもソファ。これだけです。第2幕は、舞台後方中央が高くなっており、そこに長めのソファ、その一段と高くなった箇所の枠取りに木の葉の書き割りというもの。第3幕は、舞台は、全てフラットに。両脇の棚をフル活用、ベットが設えられたり、蝋燭が置かれたり、また、前半には楽団が、舞台右に出ます。そして、全幕を通じて、オケピットの部分には、奈落から昇り降りのできる階段が付いていました。両脇の小道具の出し入れをする男が、最初から最後まで、舞台上をうろつくのも、大きな特徴。この男は、ちょっとした端役もこなすとなっています。小姓や医者などですから、最後の場面では、その男が、ずっと後方の椅子に腰掛け、オクタヴィアンとゾフィの行く末を見守ったあと、舞台に散らかった紙切れで、鼻をかみ、奈落に下がって幕となりました。華美とか、壮麗とか、そういった言葉とは、真逆の舞台作りと言えばいいでしょうか。その辺を、強く意識した舞台作りと看ました。目についたシーンをピックアップしておきます。第2幕、オクタヴィアンの登場は奈落から、バラを渡した途端、はや見つめ合う2人。そして、ファーストキスまで。「バラの騎士」では、この2人のファーストキスを、どこに持ってくるかがポイントだと、黄紺は思っています。その中でも、最初も最初、最初はここです。2人ともが「一目惚れ」をしたを表すのは、ここですものね。ただ、貴族で、また貴族になりたいブルジョワの男女が、いきなりとはということを避けるために、装置の工夫とバランスを合わせたのでしょう。「決闘」は、オックス男爵はサーベルを持たず、オクタヴィアンの持ったサーベルがかするとしてました。アンニーナ(いい芝居してくれました)が手紙を持って来る場面は、ちょかしたような恭しさがいいですね。第3幕、お化けは、風船を持った道化風の男たちが、普通の登場の仕方で現れるだけ、マルシャリンが2人をけしかけ三重唱に入るところでは、マルシャリンに酒壜のラッパ呑みをさせてました。この辺も、気品などという言葉とは縁遠い演出意図の一貫性は貫かれていました。ファニナルを伴い、再登場したマルシャリンとオクタヴィアンの別れの場面になるはずと思ったシーンでは、もう出来上がった2人は、正先で見つめ合ったまま、後ろの2人がいることすら気づかない風情。ですから、マルシャリンとオクタヴィアンの別れという場面は作られませんでした。これも、確かに1つの方法です。歌手陣は、オックス男爵(ヴィルフリート・シュターバー)が格段の出来。歌唱面から何から何まで、他の歌手を圧倒してました。マルシャリン(モニカ・マスクス)やゾフィ(イ・ハナ)は、高音域がきれいじゃないし、オクタヴィアン(山崎はるな)はパワー不足だしと、オックス以外の歌手には課題ありというところでした。このプロダクションを観てて思ったのですが、リアルな設定で言うと、正に、今日のようなキャストの姿態が、最も当たっているのではないかな。オクタヴィアンは、日本人の小柄な女性の体型ですから、遠目からは少年のようです。それに対し、マルシャリンは、化粧も濃い年増女。見た目にはアブナイ感じすら与える2人。ホフマンスタールの描いた世界って、こんなのかもと思ってしまいました。それにつけても、「バラの騎士」は、いつ、どこで観ても楽しい、そして、せつないオペラです。今日も、オクタヴィアンの「マリーテレーズ」の歌い出しから始まるテルツェットから、黄紺は金縛りに遭ってしまいました。後方配置になったのは、エンリコ・デラムボエ指揮のライン・フィルハーモニー。第1幕が不出来で、リヒャルト・シュッアラウスの甘美な音楽が台無しじゃないかと思っていたのですが、第2幕からは、持ち直してくれました。ほっと一安心。ノリが良くなっていきましたからね。

本日の食事。朝は定番メニュー。但し、デザートはプリンにしました。夕食は、街角インビスのお店で、「グーラーシュ」を見つけたものですから、飛びつきました。クリスマス・マーケット以外で、こういったお店は、初めてとなります。コブレンツは4度目ですが、目抜通りにあるこのお店を、今まで見つけられてなかったということです。ちょっと塩っけが多めのお味で、さほど美味いというものではなかったのですが、食事に変化を持たせることができました。

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カイザースラウンテルンから(3/16)

 投稿者:黄紺  投稿日:2017年 3月17日(金)17時07分23秒
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  だいぶとフランス寄りにやって来ています。カイザースラウンテルンは、初めて入る町。今まで、黄紺のオペラ紀行には縁がなかったのですが、今回は、急遽、入ることになってしまったのです。最初は、今日も、マンハイムでオペラを観る(蝶々夫人)ということで、予定を組んでいたのですが、マンハイムのチケットの売り出しは、2ヶ月前からということで、なかなかチケットを買えなかったので、いざ、その売り出し日が近づいたときに、スケジュールを組んだときには、ウェブ上で、まだ日程を発表してなかった歌劇場を、幾つかチェックをしている中で、今日の公演を見つけ、即刻、変更しました。そんなで入ったカイザースラウンテルン。昨日と違い、今日は、時間にゆとりがありましたから、のんびりと街中散策をすることができました。今日は、気温の上昇が著しく、気の早い人などは、半袖姿で歩いているのを見たほどです。5年程前にも、こういった気温の上昇を経験しているのですが、着るものには限りがあり、どうしても、極端な上昇&下降は、ホント、困ってしまいます。アイス屋さんが大流行り。ドイツですから、アイスも巨大、そないなアイスを食べるカフェは、大賑わいでした。そんななか、昼間は、プファルツ・ギャラリーに行ってきたのですが、改装中らしく、限られた展示室にだけ、入れてもらえました。記憶に残った作家さんをメモっておきます。カンディンスキー、キルヒナー、アウグスト・マッケ、ケーテ・コルヴィッツ、マックス・ベックマンというところです。20世紀に入ってからの作家さんに、ちょっと目が入るようになってきました。そして、夜は、プファルツ劇場カイザースラウンテルンで、ビゼーの名作「真珠採り」(ウルス・ヘーベルリ演出)を観てまいりました。素敵なオペラなのですが、なかなか上演機会に恵まれないオペラが、このカイザースラウンテルンに出るというので、マンハイムを棄てたというわけでした。このプロダクションは、インスブルック歌劇場との共同製作とか。装置は、回転舞台を使います。基本的には、2つにしか分かれていない舞台ですが、シーンによっては、180度回転させるのではなく、120度ほど回転させて、片方の舞台にある階段だけを使うという工夫もなされていたり、また、第2幕では、装置が追加されるということもあり、単調さを回避する工夫がなされていました。進行は、第2幕終了時で休憩。後半が第3幕だけとなりましたから、後半は40分ほどで終わるというもの。ドラマ的には、仕込みの入ったところで切るという方が良かった、即ち、第1幕終了後に休憩を入れておいた方が良かったと、黄紺は思いました。第1幕には、素晴らしくきれいなデュエットとアリアがありますから、それに浸ることもできますからね。回転舞台の内、冒頭に現れるのが、「3室×3段」の巨大な装置。部屋は作業部屋になっており、コーラスが埋め尽くしますから、かなり丈夫で巨大な装置。両脇に階段が付いています。120度ほど回転させるときは、この階段を見せるということになり、ここで、ナディルとズルナのなんとも美しいデュエットが歌われます。男性二重唱で、これほど美しく、ちょっぴりせつないものってないんじゃないかな。その作業棟の背後は、トタンと見えるような壁になっています。舞台が回転すると、そのトタンの壁が現れ、各部屋の背後に窓が付いています。最後の火事になると、ここに火が出ます。「3×3=9」箇所から火が出ます。迫力満点でした。この壁の前は広場となっており、両端には階段が付けられているというもの。レイラの祈りの小屋が要るようになると、この階段のサイドに出され、その小屋の上も歌唱に、何度か使われていました。ですから、舞台上での歌手の配置、動きに、かなり心配りをした優れたプロダクションです。主要な役は4人、その4人とコーラスの人たちで進むというオペラ。レイラを歌ったクリスティーン・バッフルは動ける人。静かに、素直な歌い方をしているときは、とっても好感を持てるのですが、頑張ってパワーが入ると、極端に聴きづらくなりました。そないに頑張らなくても、いい声なのにと思ってしまいました。男声2人は、ともに高音域が求められ、なかなか難しい。2人とも、高音域に苦しんでいたようでした。でも、ナディルのエリック・ラポルテは、このプロダクション随一の美声でしたが、いかんせん動けない。これは痛かった。ズルナのベルント・ヴァレヮティンは、優しいいい声なんだけど、パワーがあればいいのですが。それぞれ、物足りないところはあったのですが、この美しいビゼーのオペラは、たじろぐものではありませんでした。ホント、素晴らしいオペラです。ラストシーンも、とっても印象に残るものとなりました。壁には火が入ってます。舞台角4箇所には、松明を掲げる人が立ちます。更に、舞台中央では、下から炎が吹き上げます。そないななか、ズルナは捕らえられたのに対し、ナディルとレイラは逃げるはずなのですが、2人は、そういった火に囲まれたまま、緞帳が下りました。彼らも助からなかったと、黄紺の目には見えたのですが、、、。なお、このオペラを支えたオケは、プファルツ劇場管弦楽団、指揮はサミュエル・ホガルトでした。

本日の食事。朝は定番メニュー。デザートにはライス・プディングを添えてみました。夕食は、ノルト・ゼーで買った「バックフィッシュ」、早い話が、マグドナルドで売っているフィレオフィッシュだと思って下さい。形は違いますが、中身は同じです。普段は、ほとんど利用してこなかったノルト・ゼーに、今回は、はや2回目のお世話になっています。

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ルードヴイヒスハーフェンから(3/15)

 投稿者:黄紺  投稿日:2017年 3月17日(金)00時31分45秒
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  マンハイムの、ライン川を挟んだ対岸の町ルードヴイヒスハーフェンに入っています。毎度、マンハイムのホテル代が高いので、近郊に手頃なホテルがないかと探していて、見つけたというわけです。昨日のラウンハイムからは、マインツ乗り替えで、簡単に入ることができます。ただ、今日は、思い通りにいかないことが続きました。自分の思い込みで、ホテルに向かう地図を読み間違い、ホテル探しに汗をかいたり、マンハイム国民劇場までのアクセスの方法を見つけるのに、随分と時間が取られたりで、時間だけが過ぎていきました。そんなで、せっかくに来たルードヴイヒスハーフェンだから、この町の博物館などをピックアップしてあったのですが、全てが徒労に終わりました。ほんの僅か、中心街をぶらぶらしただけでした。ま、いろいろと苦労しながら、新しいところに慣れていくのも楽しいものなのですが、黄紺の思い込みがあったり、調べていったトラムの路線と齟齬があった(正確には資料不足というのが適切)りで、かなり苦しみました。ただ、マンハイムの街の構造なり、歌劇場の位置が、頭に入っているのが幸いだと言えます。そして、夜は、マンハイム国民劇場での「ヘラクレス」(ナイジェル・ローリィ演出)に行ってまいりました。ヘンデルのオペラの中でも、そうは上演機会の多いとは言えない作品です。今日は、シュトゥットガルトでも、ヘンデル作品(アリオダンテ)の上演があり、迷ったのですが、移動が短くて済む方なんて、非音楽的な観点でのチョイスです。このプロダクションでは、印象に残る「ジェラシー」という言葉が繰り返されるコーラスがあったあとで、休憩に入るとなっていました。そこまでは、舞台上には、列柱が並び、教会内部のような造り、両脇には、最初から最後まで、城壁の一部を成す塔の下部と見える装置が置かれていました。この中で、歌手陣は、歌唱と動きだけで、濃厚なジェラシーを軸とした感情表現をしなければならないのですから、大変なことです。特にヘンデルのオペラは、同じメロディが繰り返されていきますから、なおさら要求されるものが高度になっていきます。このオペラ、主人公2人の関係だけではなく、それだと、正に初めから終わりまでが、ジェラシー劇になってしまうためか、ヘラクレスの息子ハイルスと囚われの女性イオレの恋も描かれます。そもそもイオレを、ヘラクレスが捕らえてきたことがきっかけで、デジャネイラのジェラシーが芽を葺くわけですが、一方で、息子が一目惚れをしてしまうことから、筋立てが複線化してはいきますが、ジェラシーが強烈なため、こちらのエピソードは、どうしても添え物になってしまいます。特に、イオレも惹かれ出す、その辺りが、あまりクリアになってないきらいがあります。そこで、このプロダクションでは、後半の冒頭にある2人のデュエットを使い、イオレの心持ちが判る工夫がされていました。ここだけ、城壁を出しました。城壁の上と下を使い、また、城壁上の壁の切れ目を使い、イオレもハイルスを求めていることを見せたのです。1つでも、こうしたシーンが入ると、あとの筋立てに貢献していきます。このプロダクションの最も優れたところだったんじゃなかったかな。そのあとからは、ギリシア風の柱が、横並びに立ち、右奥にヘラクレス夫妻の寝所を置くという装置で、最後を除いて展開。瀕死のヘラクレスが、姿を顕すのは、この寝所の幕が引かれるという具合にでした。デジャネイラの狂乱の場が終わると、デジャネイラは、それで、お役ご免。コーラスが最後を締めるのですが、このとき、ホリゾントが開き、そこにロケットが発射され上昇していく映像が映され、幕となりました。ヘラクレスが天に昇る姿を表したわけですが、どろどろとしたこの愛憎劇の緊張を、一挙に緩和するということでしょうが、ちょっと呆気にとられたってところでした。このオペラ、歌手も大変ですが、ギリシア劇のコロスのような役割を果たすコーラスが、大変大きな役割を果たすと考えています。ですから、今日の演奏を聴いて、もっともっと起伏の多い表現を取ってもらいたかったと思いました。歌手陣では、イオレを歌った韓国人歌手クォン・ユンジュが、図抜けた力量の持ち主。チャーミングな声が前に出ていたのが評価されたのだと思います。次に来るのが、デジヤネイラを歌ったモリー・エレン・ネシでしょう。もう少しパワーがあればとは思いましたが、ちょっと年増女の狂いは出ていたかと思います。この人以外は、アンサンブルの歌手陣だったようで、少なくとも凹みはなかったとは思いました。オケは、こちらのレジデンツのオケに、必要な古楽器を加えての演奏。指揮のトマス・ベローがゲストということですから、その筋の専門家を喚んできたものと思われます。

本日の食事。朝はいつも通り、変わりばえはしません。デザートに、チョコの欠片入りヨーグルトでした。黄紺の一番好きなメーカーものです。夜は、せわしなくルードヴイヒスハーフェンで探したのですが、目新しいものは見つからず、ならばと、野菜不足を補おうとドネルにしました。マンハイムだと、定番はタイ料理なのですが、夕食だけのために、マンハイムまで行く余裕はありませんでした。

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ラウンハイムから(3/14)

 投稿者:黄紺  投稿日:2017年 3月15日(水)16時54分48秒
  ワイマールからラウンハイムへ移動しましたと書いて、解る人は、まぁいないでしょう。黄紺自身も、ラウンハイムが、なかなか覚えられないのですから。フランクフルトから電車で20分、マインツ方向に行ったところです。マインツの方が、フランクフルトに向かうよりは近いというところです。去年同様、この時期のフランクフルトは、ホテル代が高騰。半端な値段ではないため、郊外に避難をしているというわけです。名前も何も知らないで来たのですが、ホント、住宅地以外は、何もないというところです。幸い、ラウンハイム駅からホテルの経路を調べたときに、ドイツで、よく知られたスーパーの位置が頭に入っていたので、それを探しに歩いただけという日となりました。そして、夜は、フランクフルト歌劇場であった「ビョートル・ベチョワ  歌曲の夕べ」に行ってまいりました。今をときめくテノールのビョートル・ベチョワに、伴奏が、なんとリートの伴奏で、名を馳せているヘルムート・ドイチという組合せのコンサートに行くことができたのです。もちろん、今回の目玉の1つであることは言うまでもありません。プログラムは、前半に「詩人の恋」が歌われ、後半は、カルロヴィッツ、ドボルザーク、ラフマニノフと続くスラヴ歌曲という組合せのプログラムでした。ポーランド人のビョートル・ベチョワにとっては、スラヴ歌曲はお手のものなんでしょうね、おもしろいプログラムに遭遇することになりました。ちょっと字余り的に聞こえる独特の音が新鮮で。中でも、カルロヴィッツの歌曲なんて、まあ聴く機会がなかったものですから、これは、全く嬉しい遭遇となりました。プログラム的には、デリケートな「詩人の恋」から始まり、徐々に陽性度が高まっていくという構成。ビョートル・ベチョワの声の伸びやかさ、ホントにきれいな声をしていますから、そういったものになじみ易いのでしょうか、こんな声なら、ぜひぜひオペラでの歌声を聴かねばの思いにさせてもらえました。その歌唱をともにしたのが、リート伴奏の名手ヘルムート・ドイチのピアノ。なかでも、壊れてしまいそうなデリケートな趣の「詩人の恋」は絶品でした。「詩人の恋」は、どんどんと進行が早いものですから、最後の音は、ペダルを踏んだままで、自分で譜面をめくってました。こんなのが判るのが、舞台に向かい左側に座った者の特権です。アンコールは3曲、それらを入れても、2時間に満たないコンサートでしたが、帰り道、黄紺の頭の中では、「詩人の恋」のメロディが、繰り返し鳴っていました。

本日の食事。朝はいつもの通り、ただ、今日はアイラン付きです。500ccのパックものを買っておいたため、昨夜から、アイランを堪能することができました。そして、夕食は、フランクフルト中央駅の地下で、ピザを買い、立ち食い。一番簡単に食べることができるものをチョイスです。去年も、この地下街で、ファラーフェルを食べたら、お腹がいっぱいになりすぎたため、今年はピザにしました。なんせ、ラウンハイムには、こうしたファーストフードのお店すら見つからなかったのですから。ですから、劇場に行く直前に食べるしか手がなかったということでした。

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ワイマールから(3/13)

 投稿者:黄紺  投稿日:2017年 3月14日(火)13時29分43秒
  ようやく、ベルリンから離れました。近い内に、また、ベルリンに戻るのですが、軽い旅に出ました。今日は、ワイマールに移動という、さして珍しくない移動だったのですが、トラブルが2件発生して、ちょっと冷や汗をかいてしまいました。ワイマール行きのICに乗るための駅に行けなくなってしまったのが、朝早々に起こり、慌ててしまいました。ホテルの最寄り駅(Sバーン)で、電車が停止したままになり、地下鉄(Uバーン)と他のSバーンを乗り継いで、当初乗るはずではなかった中央駅で、ワイマール行きのICに乗り込みました。これは、これで良かったのですが、その乗ったICが、ワイマールに着く前に停まったライプチヒで、車両変更となりました。車内放送で、「向かいの電車に乗り替え願います」と言ったように聞こえたつもりだったのですが、周りの動きを見てると、その様子じゃないみたいと、半信半疑になっていたところ、ライプチヒ駅に着いた途端、全員が立ち上がったので、「やっぱり、そうやったんや」と、びっくりしてしまいました。ベルリンからミュンヘンへ行く列車でしたが、今まで、ライプチヒ経由じゃなかったので、何となくおかしいなとは、列車の運行表を見て思っていたのですが、、、。ワイマールは、12月にも入っているのですが、今回と同じパターン。月曜日で、ほぼオペラ公演がないなか、オケの演奏会が、移動経路の中にうまくはまりこむ、そういった条件を、前回ともに満たしたのでした。今回は、ハノーファーも、その条件に合っていたのですが、こちらを選んだのは、単にプログラム上の問題なのですが、ちょっとはワイマールに入りたいと気持ちがあったことは否定できません。ところが、月曜日ですから、博物館などはカパル。でも、街中ウォーキングをしているだけでも、ワイマールは楽しいのです。12月は、クリスマス・マーケットなどという楽しみがありましたが、今回こそ、正に素のワイマールを歩くことができました。衝撃の「オネーギン」を観た工場跡劇場も見に行きました。健在でした。街全体が世界遺産ですから、うまく姿を隠しているショッピングセンターに、Dちゃん土産を探しにも行ってみたのですが、不発でした。できるだけ、知らない道を歩いたつもりが、気がつくと、あっさりと知った道に、でも、それを逃れようとしながら、結局は、クラナッハのある教会への道を探し出すと、もう、黄紺の心得たルートとなります。ベルリンで思ったままのことを。また考えてしまいました。「戦争さえしなければ、もっと多くのワイマールが残ったのに」と。夜は、ワイマール州立管弦楽団の定期演奏会。会場は国民劇場ではなく、近くにあるワイマール・ハレです。プログラムは、次のようなものでした。「サンサーンス:行進曲"東洋と西洋"」「サンサーンス:ピアノ協奏曲第5番"エジプト風"」「リムスキー・コルサコフ:交響詩"シェラザード"」。なお指揮はキリル・カラビッツ、ピアノ独奏はスティーヴン・ヒューでした。「シェラザード」に入る前に、短い講演のようなものがありました。もちろん聴き取れはしないのですが、その端々から気がついたのは、今日のプログラム構成。全てが、オリエントを意識して作られたものばかり。恐らく、その辺についてのお話しだったのでしょう。当初、珍しい曲(サンサーンスもの)を取り上げるなと思っていたのですが、そのわけだけは了解できました。そういったエキゾチズムの盛り込んだ作品だったわけですが、サンサーンスのピアノ協奏曲では、ただただ、きらびやかなきれいなピアノだなと、今まで、頭に入ってなかった曲を聴けて、喜ぶ黄紺だったのですが、会場の音響に問題があるのでしょうね、きらびやかなピアノの細部がぼやけてしまい、勿体ないことをしたなの印象でした。後半は、耳になじみやすい「シェラザード」ですから、こんなの聴いちゃいますと、コンサートがはねたあとも、そのメロディが、思わず知らず口から出てしまいますね。閑話休題、間に、こういった楽しい気分にさせてもらえるコンサートが入るのもいいものですね。「繋ぎ」なんて言い方は、ホント、勿体ないです。

本日の食事。朝は、定番のもの。デザートに苺味&チョコの欠片入りヨーグルトを添えてみました。ドイツ人にも、チョコの欠片入りが人気のようで、商品のヴァラエティが増えています。夜は、チェーン店「ノルト・ゼー(北海)」で見つけた「フィッシュ&チップス」。ここで、これを売ってるかという感じでしたので、これから「ノルト・ゼー」を目にしたら、通りすぎるのではなく、店先を覗いてみることにします。そのお店、「バックフィッシャー」も売ってましたから、黄紺的にはマークを付けましたが、一方で、揚げ物ばかりはダメよの警告ランプが点っています。

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ベルリンから4(3/12)

 投稿者:黄紺  投稿日:2017年 3月13日(月)21時00分44秒
  ベルリン4連泊目となり、完璧に弛緩しております。逆に慣れきってしまい、ポカをしないか不安になっていたところ、あっさりとやっちゃいました。博物館に行き、クロークに上着を預けるときに、ホテルの鍵をポケットに入れたまま預けてしまいました。幸い、変なことにはなりはしなかったのですが、よくぞ、ポケットから滑り落ちなかったことかと、あとになり気がつき、胸を撫で下ろしました。昼間は、明朝、移動となるのですが、今まで通ったことのないベルリン内での移動となるので、その下見をしてから、目的地のエフライム宮殿へ。うまい具合に、下見の経路を使うと、その流れで行ける宮殿なのですが、こちらは、内部か博物館となっており、只今、ベルリン王宮についての特別展「宮殿、都市、ベルリン」をやっているのです。最新のベルリン情報を、ウェブ上で発信されている方のブログで知ったのです。「お薦め」の言葉を鵜呑みにして行ってみたのですが、正解でした。30年戦争後のベルリンの再建のなかで作られたのが、現在のベルリンの基だそうで、模型で、その都市が再現されていたり、その街の発展具合も、違った模型で再現されているのを見れたのが、最大の収穫。戦災で消えたベルリン王宮の戦前の姿すら知らない黄紺には、巨大な画像で再現されていた王宮内部の姿を見るにつけ、毎度感じる突っ込みをしておりました。「戦争なんてするものではない」「せっかくの人類の遺産が跡形もなくなるなんて」と。博物館を出ると、地下鉄ですぐのところに、クロイツベルクがあるということで寄ってみました。トルコ人の店だけでなく、アジア・インビス系の店が増えてきて、国際化が進んでいるように見えてしまってます。そして、夜は、ベルリン国立歌劇場であった「ワーグナー・ガラ・コンサート」に行ってきました。シモーネ・ヤングの指揮も魅力的ですが、歌手陣がすごい。 ヴァルトルート・マイヤー(a)、ルネ・パーペ(b)、カミラ・ニュルンド(c)、ヴォルフガング・コッホ(d)、ニコライ・シュッコフ(e)、アンネ・シュヴァンネヴィルムス(f)の6人の歌手に、コーラス(g)も加わり、ワーグナーのオペラからの抜粋が演奏されました。そのプログラムは、次のようなものでした。①(f)「タンホイザー」よりエルザ「Dich,teure Halle,gruss ich wieder」②(g)「タンホイザー」より「歌合戦入場の歌」③&④「ニュルンベルクの名歌手」より第3幕導入部&ザックスのモナローグ(b)⑤(ad)「ローエングリン」よりテラムントとオルトルートの二重唱「Erhebe dich,Genossin meiner Schmach」⑥(ce)「ワルキューレ」よりジークムントとジークリンデの二重唱「Der Manner Sippe sass hier im Saal」⑦(g)「ローエングリン」より第3幕への前奏曲⑧(af)「ローエングリン」よりエルザとオルトルートの二重唱「Euch Lutfen, die meine Klagen」⑨(d)「さまよえるオランダ人」よりオランダ人のモナローグ⑩(g)「ニュルンベルクの名歌手」より合唱「Wach auf, es nahet gen den Tag」⑪(e)「ニュルンベルクの名歌手」よりワルターの授賞の歌⑫(b)「ワルキューレ」よりヴォータンの惜別の歌。本来なら、亡くなったヨハン・ボータも出演予定だったのですが、残念ながら、こればかりは致し方ありません。12月の「ローエングリン」(ベルリン・ドイツ・オペラ)も、ヨハン・ボータだからチケットを買ってあったということがあったのですが、あのときの代演に立ったペーター・ザイフェルトにしびれたのと同様に、ニコライ・シュッコフも良かったですね。中でも、カミラ・ニュルンドとの二重唱は、今夜随一の拍手を受けていました。カミラ・ニュルンドも、狙いの一つだったのですが、最初は、絞り出すような発声かと思ってしまったのですが、それも技の内と判るまでには、さほど時間がかかりませんでした。黄紺的一の狙いはヴァルトルート・マイヤーであるのは言うまでもないのですが、ちょうど1年前に聴いたのが、最後のクンドリーということで、ぎりぎり間に合ったのですが、今は、「ローエングリン」のオルトルート、「エレクトラ」のクリュタイメストラーを歌っているということでしたので、その内の1つに遭遇できたことになります。相変わらず、小柄の身体のどこから、この突き刺すような声が出てくるのかと感心する一方で、高音は、気合いを入れて出してるなという印象を持ったことも事実で、いかんせんヴァルトルート・マイヤーと言えども、年齢に応じた選択をしていっているなの印象を持ちました。ヴォルフガング・コッホが、昨年の件の「ローエングリン」で、えらく調子が悪かったので、気にかかっていたのですが、とんでもございません。フランクフルトの「オランダ人」、1年前の「パルジファル」で聴いた声に戻り、安堵の気持ちです。ヴァルトルート・マイヤーと組んだ悪者2人の歌唱は聴かせてくれました。そういった中で、黄紺的に見て、この日の秀逸はルネ・パーペ。中でも、ハンス・ザックスに魅せられました。ヴォータンも威厳に満ちてましたしね。しかし、ルネ・パーペが、この2つの役を、実際のオペラで歌ってるのかが気になりました。今後、歌うなら聴いてみたいですね。ルネ・パーペ、これで3度目になりましたが、今までで最高じゃなかったかな。このあと、すぐに4度目が控えていますから、楽しみが倍加しました。シモーネ・ヤングの指揮ぶりを舞台上で観たのは初めてとなるのですが、この人、とっても棒さばきが華麗ですね。オケの人、解りやすいんじゃないかな。

本日の食事。朝は変化なし。アイランを付けることができたのが、嬉しいところ。夜は、コンサートに向かう途中、ツォー駅前のスタンドと言っても、人だかりのない裏手にあるスタンドで、「カリー・ヴルスト」にしました。ケチャップをやたらかけてくれたために、小さなパンも、ケチャップでべとべと。でも、それで知りました。菓子パンじゃないパンに、バターやジャムでなくて、ケチャップを着けて食べる手があるなということを。日本に帰ったら、実践してみます。

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